相続の流れ ご家族が亡くなった後のお手続き

ご家族が亡くなった後、様々なお手続きが必要となります。
流れを記載致しますのでご確認頂ければと思います。

 

死亡診断書(死体検案書)を受け取る

死亡届と死亡診断書(死体検案書)はA3サイズで同一の用紙になっており、右半分が死亡診断書(死体検案書)、左半分が死亡届になっております。
医師に死亡診断書を作成してもらい受け取ります。なお、遺族の方などがこの死亡診断書を修正したり、書き加えたりすることは禁止されていますので、受け取り時に記載漏れや記載ミスがないかよく確認します。
左半分は死亡届になっておりますので、必要事項を記入することになります。

 

親戚・知人・町内会などへの死亡連絡

亡くなられたら速やかに関係者へ連絡をいれます。リストを作成すると連絡もれを防げます。

 

遺体を安置する

病院などからご遺体を搬送し安置します。
葬儀を葬儀社に依頼する場合には、葬儀社を決めて連絡すると搬送から安置まで対応してもらえることが多いです。

 

死亡届・火葬許可書を提出する

死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡届を提出しなければなりません。
届ける役所は@故人の本籍地A死亡地B届出人の住所地のうちいずれかを管轄する市町村の役所になります。
死亡届と一緒に火葬許可申請も行います。火葬許可証がないと火葬ができないため葬儀の日時にも影響が出ることもあるので、依頼すれば死亡届を葬儀社が代行で提出してくれることもあります。

 

葬儀後の手続きチェックリスト(速やかにすること)

必要な手続き

内容

葬儀社への支払い
(葬儀後速やかに)

支払いは葬儀後1週間程度で支払うことが一般的です。葬儀費用は相続財産から支払う場合、相続人の共同負担の場合、喪主が支払う場合などがあります。

年金受給者死亡届の提出
(厚生年金10日以内・国民年金14日以内)

死亡後に亡くなられた方の年金を受け取ると、返還しなければなりませんので必ず提出しなければなりません。国民年金の場合は管轄の市区町村の役所へ、厚生年金の場合は年金事務所へ提出します。

世帯主変更届の提出
(14日以内)

故人が世帯主で、残った世帯員が2名以上の場合は役所に提出しなければなりません。

国民健康保険資格喪失届の提出
(14日以内)

故人が国民健康保険加入の場合は必要になります。又、同時に国民健康保険証を返却します

死亡退職届の提出
(死亡後速やかに)

故人が在職中だった場合には遺族の方が行います。

 

 

相続財産の相続手続きリスト

必要な手続き 内容
遺言書の調査 遺言書が残されているかどうかを確認します。公正証書遺言以外の遺言書が出てきた場合は家庭裁判所に検認の請求をしなければなりません。なお検認前に勝手に開封すると罰則がありますので気を付けてください。検認を受けていない遺言書では銀行・法務局等での手続きができません。
相続人の調査 故人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本を集めて法定相続人を調査します。遺産分割協議は相続人全員で行わなければ無効となりますので、しっかりと調査しなければなりません。
相続財産の調査 不動産は名寄帳や固定資産評価証明書などで調べ、預貯金は銀行へ死亡日時点の残高証明書を発行してもらいます。その他株式や投資信託、自動車などの他にカードローンなどの借金も相続財産になります。その財産を財産目録という一覧表を作成することでもれなく手続きを進めやすくなります。

相続放棄・限定承認
(相続開始を知った日から3か月以内)

プラスの財産よりも借金などマイナスの財産が多い場合には相続放棄や限定承認によりその負債を免れることができますが、期限が決まっている為それを経過するとできなくなります。同順位の相続人が全員相続放棄した場合には次の順位の者が相続人になりますので、相続放棄する場合には注意が必要です。

所得税の準確定申告
(相続開始を知った日の翌日から4か月以内)

確定申告すべき方が亡くなられた場合、相続人が代わりとなって確定申告をしなければなりません。期限を過ぎると延滞税が加算される為注意が必要です。
遺産分割協議 遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行って、分け方をきめます。
遺産分割協議書の作成 遺産分割協議が終わると、その内容を書面にした遺産分割協議書を作成します。書面にする義務はありませんが、不動産の登記などこの書面がないと手続きができません。
遺産分割調停・審判 遺産分割協議が相続人間でまとまらない場合、家庭裁判所に申し立て、調停を行います。それでも合意できず不成立になった場合には遺産分割審判になり裁判官の審判にて決まります。
相続財産の名義変更 遺言書がある場合には遺言書により、ない場合は遺産分割協議書によって不動産(法務局)、預貯金(銀行)、株式(証券会社)、自動車(運輸支局)などの名義変更の手続きを行います。
相続税の納税義務の確認

相続財産の評価での金額から債務や葬儀費用を引いた金額が相続税の対象となるか確認します。
基礎控除内の金額(3000万円+600万円×法定相続人の人数)であれば申告は不要となります。

相続税の申告
(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)

納税の申告が必要になった場合には、計算をして申告しなければなりません。もしこの期限までに遺産分割がまとまらない場合でも法定相続分どおりの計算をして各相続人が申告と納付をしなければなりません。また、期限を過ぎると延滞税が発生しますので注意が必要です。

 

その他忘れずに行うべき手続きリスト

必要な手続き 内容

遺族年金の申請
(5年以内ただし死亡一時金は2年以内)

国民年金は市役所、厚生年金は年金事務所、共済年金(現在は厚生年金に統合)は共済組合と故人が加入していた年金の種類により申請先が異なります。
運転免許証の返却 警察署へ戸籍謄本など死亡の事実が証明できる書類と一緒に個人の運転免許証を返却しなければなりません。形見として手元に残したい場合はその旨を伝えると無効処理の上返してもらうことができます。
パスポートの返却 最寄りのパスポートセンターへ戸籍謄本など死亡の事実が証明できる書類と一緒にパスポートを返却します。形見として手元に残したい場合はその旨を伝えると無効処理の上返してもらうことができます。
印鑑登録証・マイナンバーカード・住民基本台帳カードの返却 死亡届の提出により失効しますが、管轄の市区町村の役所へ速やかに返却する必要があります。
電気・ガス・水道・NHK・電話回線など故人名義の変更 故人名義での契約の場合はそれぞれ変更や解約などの手続きを行います。
携帯電話の解約・名義変更 故人名義で契約している携帯電話を解約・名義変更など手続きを行います。戸籍謄本など死亡の事実を証明できる書類が必要ですが、契約の携帯会社に詳細はご確認ください。
クレジットカードの解約 故人名義で契約しているクレジットカードは故人の死亡後、速やかにカード会社に連絡し解約手続きを行います。ほっておくと、年会費など請求されてしまうので注意が必要です。
新聞の解約 故人の自宅には新聞が届いてしまい、費用も発生するため速やかに解約手続きを行います。
香典返し 四十九日を過ぎた後、挨拶状と共に贈ることが一般的です。

葬祭費又は埋葬費の支給申請
(2年以内)

国民健康保険か後期高齢者医療制度の加入者の方が亡くなった場合は管轄の市区町村の役所で数万円支給されます。社会保険加入者が亡くなった場合は50000円の埋葬費が保険事務所より支給されます。いずれも2年を過ぎると請求できません。

死亡保険金の請求
(3年以内)

故人が生命保険の契約者の場合、保険金の請求は保険法により3年で時効となってしまいますので速やかに請求します。

 

このように、ご家族が亡くなった後の手続きは非常に多くあります。
わからないことなどございましたらお気軽にご相談ください。
当事務所では真摯に対応致します。